ベルン

2008年5月23日 (金)

ロンシャンの礼拝堂

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 8月16日、バーゼルから電車を乗り継いでロンシャンへ。
 
 駅からタクシーで教会のある山頂へ向かう。途中、腕に入れ墨を入れた運転手さんが「あれが教会だよ」と、小鳥のようなつぶやき声で前方を指差した。緑に囲まれた山の天辺に、ロンシャンの礼拝堂はぼってりと建っている。
 
 頂上に着くと、ぱらついていた雨がやんだ。小鳥の運転手さんと、1時間30分ほどパーキングで待機してもらう追加料金の約束をして、ゆっくり教会の方へ向かった。

 コルビュジェが手がけた作品のなかでも、とくに訪れて見てみたかったロンシャンの礼拝堂。有名な屋根のカーヴの具合は、下から見上げると、鳩のおなかのようにつるりとしている。その佇まいは、教会という厳かな場所ながら、どこか愛らしくも見える。

 それにしても。青空が、こんなに似合う教会を、私は他に知らない。
 
 真っ白だと思っていた外壁は、すこしくすんだグレイッシュで、手で触れるとざらざらごつごつしている。大小の小窓にはめられた色ガラスは、埃で薄曇り、ところどころにヒビが入っていた。決して美しいだけではない。ざらつく壁に寄りかかって居ると、この教会が深く大地に根を下ろし、おだやかに時を刻んでいる、そう感じられた。

 売店で売られていた小さなバラのペンダントトップは、この旅を終えてから、毎日私の胸元にある。


ロンシャンの礼拝堂Chapelle de Notre-Dame-du -Haut:バーゼル中央駅BASEL SBBから電車でミュルハウスMUIHOUSE-VILLE、ここで乗り換えてベルフォーBELFORTまで1時間30分くらい。往復40CHF 。駅からタクシーで20−30分ほど山頂を目指す。タクシーは気まぐれにしかやってこない。駅前のカフェのマダムに呼んでもらおうと頼んでみると「電話しても来ないから、待つしかないわよ」。参考までに、ロンシャンの礼拝堂への往復+1.5時間の待機で、75CHF。

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2008年5月14日 (水)

パウルクレーセンター

 ベルンへは、パウルクレーセンターZentrum Paul Kleeを訪れるためだけに出かけた。

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 建物は鉄とガラスが組み合わされ、山の連なりのようにうねりのある、すこし変わったフォルムをしている。以前、バーゼルで訪れた美術館の雰囲気があまりにもすてきだったので、そのバイエラー財団についてじっくり調べていて、レンゾ・ピアノという建築家の名前を知ったのだった。レンゾ・ピアノは東京のメゾンエルメスも手がけているが、あそこもガラスをふんだんにつかったモダンなデザインで、銀座に行くと、遠くから眺めている。

 実際に訪れて見ると、写真で見ていたよりもずっとおとなしい印象で、なんだかほっとした。ガイドブックによる限りではとても奇妙な形に見え、バイエラー財団を手がけたときの印象となかなか繋がらなかったから。うねったアップダウンの、足元の部分が芝生に埋まっている。まるで地中からひょっこりうまれてきたように、建物が大地とつながっている姿が印象に残っている。

 1Fの広々としたカフェで、コーヒーとケーキをいただいた。ケーキは焼きっぱなしの素朴なタイプで、パートサブレのうえにナッツ風味の生地をのせ、松の実を散らしてある。ひと切れはとても大きいけれど、軽い口当たりで甘すぎずとてもおいしい。10時の開館と同時にカフェに入ったのに、ほかにもたくさんのケーキやプチフールのようなものが準備されていて、それぞれ味にもこだわりがある様子。

 建物の壁がほとんどガラスで出来ているから、なかにいても開放感がある。正直な話、展示品にはあまり興味がわかなかったが、カフェやフリースぺースのベンチで外をぼんやりと眺めるだけでも、ここへくる楽しみはある。

 外国旅行で雨の日には美術館巡り、というのは定説だけれど、パウルクレーセンターへはいちばん天気の良い日にくるといい。

 地下では子供のためのワークショプが行われていたので、しばらくガラス越しから中をのぞいてみる。ふと、壁際に置かれたコート掛けに目が移った。おままごとのようにかわいらしい子供用の小さなエプロンが、どっさりとかけられている。苔のような深緑、黄みがかった緑色、焦げ茶色、スモーキーグレー、オレンジベージュ。たっぷりの絵の具で汚れた前掛けの部分は、まるでモネの睡蓮のグラデーションのように美しかった。

パウルクレーセンターZentrum Paul Klee :ベルン駅前からバス12番で終点下車。10分ほど。建物の周囲につくられたクレーの散策路も気持ちよい。サングラス持参で、丸一日の時間をとってくること。

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